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| 巻頭言 . 大腸癌治療の現況 | |
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- 2012/5/10
- LCCE4月号 vol.24をアップしました。
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- 2012/3/12
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はじめに |
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大腸癌は予後のよい疾患であるが,時には術後肝転移,肺転移,局所再発などをきたし不慮の転帰をとることもある。このような再発を早期に発見し治療を施すためには,術後フォローアップを効率的に実施することが重要である。ここでは,効率的なフォローアップシステムの構築について簡単に述べてみたい。 |
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術後の病理診断 |
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効率的なフォローアップシステムを構築するには,術後の病理診断が不可欠である。最終診断は大腸外科に精通している病理医の診断が重要である。当科では切除標本の腫瘍を全割し,HE染色とEVG染色を施し,1人の外科病理医が20年前より病理診断をしている。そこで1990〜2000年までに当科で経験した結腸癌368例, 直腸癌388例のデータを基にフォローアップに必要な事項を分析した。 |
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再発率 |
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結腸癌の再発率は13.7%,直腸癌は17.4%であった(図1a)。stage 0の再発率は1.1%できわめて少なかった。stage 1,stage 2,stage 3a,stage 3bはそれぞれ5.7%,13.2%,22.1%,45%でステージと再発率は比例した(図1b)。病理学的には高分化腺癌が11.3%,中分化,低分化,粘液癌がそれぞれ25.4%,37.5%,15.2%であった(図1c)。脈管侵襲では静脈侵襲が軽度以下の場合13.3%,中等度以上が36.5%,リンパ管侵襲では,軽度以下が11.6%,中等度以上が34.6%の再発率であった(図1d)。
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再発形式 |
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結腸癌では肝転移や肺転移が多い。直腸癌ではこのほかに骨盤内や吻合部再発,肛門癌では鼠径リンパ節再発をきたすこともある。 |
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再発時期 |
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進行度別に検討すると,stage 1では1年未満,1〜2年未満,2〜3年未満,3〜5年未満,5年以降の再発は,それぞれ18.2%,27.3%,18.2%,27.3%,9.1%,stage 2ではそれぞれ28.0%,28.0%,8.0%,32%,4%,stage 3aではそれぞれ38.6%,36.4%,18.2%,2.3%,4.5%,stage 3bではそれぞれ58.3%,13.9%,16.7%,11.1%,0%で,3年以内に再発が多い(図2a)。 臓器別では図2bに示すように,肝転移再発は1年未満が52.6%ともっとも多く,1〜2年未満が23.7%,2〜3年未満が10.5%,3〜5年未満が7.9%,5年以降が5.3%で,肺転移再発はそれぞれ24%,28%,20%,24%,4%であり,3年以上経過しても再発が多いのが特徴である。局所再発は25例にみられ,1年未満の再発は36.0%,1〜2年未満が32%,2〜3年未満が20%,3〜5年未満が12%であった。
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診 断 |
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A. 直腸指診基本的で重要な検査で,骨盤内や吻合部再発を早期に発見するように努める。 B. 画像診断肺転移には胸写,CTが有効であるが,再発時期に特徴がなく注意を要する(図2b)。肝転移には腹部超音波,CTが有用である。骨盤内再発にはCTやMRIが有用であるが,しばしば術後の結合織増生と鑑別が困難なことがあるので経時的に比較したほうがよい。注腸造影,内視鏡検査は腸管内再発だけでなく,異時性多発癌の発見にも利点がある。 C. 血清学的診断血行性再発ではCEA,CA19-9などの腫瘍マーカーが上昇することが多いが,この場合には腹部超音波,CTなどの画像診断を徹底的に行い再発巣の発見に努める。
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フォローアップの方法 |
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A. データの登録と更新すべての臨床・病理学的所見をコンピュータに登録するシステムを構築すれば,時間と労力の浪費を避けることができフォローアップもスムーズに行いうる。当科では1982年に切除標本の病理学的所見と臨床情報のすべてをコンピュータにインプットするシステムをセットアップした。プログラム作成はdBASE IIIやVisual dBASE(Ver5.6 & Ver7, Borland社)を使用している。データ形式は拡張子がDBF形式のため,他のアプリケーションソフトからでもデータを簡単に読み込める。実際のフォローアップ方法は,その日の担当医がコンピュータを診察室に持ち込み,ID番号,名前などで患者を検索する。図3aの外来追跡台帳プログラムの画面は,手術年月日の入力や最終確認年月日,生存期間の自動更新が,再発があれば再発部位,再発確認年月日などの入力,健存期間の自動計算ができるように作成されている(図3b)。Overview画面は術式やstage,組織型,脈管侵襲などの臨床・病理学的所見を表示できるので(図3c),再発の危険性を推測し,次回の再来日時や検査を予約できる。また,健康アンケート調査を年2回実施し,連絡網の確保に努めている。 B. 定期検査の間隔と方法定期検査の間隔はあくまで目安であるが,再発は術後3年以内に起こることが多いので,術後最初の1年目は,血液検査,腹部超音波,胸部X線撮影を毎月施行する。術後2〜3年目は3カ月ごとに,術後4〜5年目は6カ月ごとに,術後5年以降は毎年1回の定期検査を実施している。直腸指診は直腸癌術後には必ず行う。再発が疑われれば,CT,MRI,注腸造影,内視鏡などの精密検査を施行する。
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むすび |
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術後フォローアップを効率的に実施するためには,外来診察時に患者の臨床的・病理学的データを常に把握しておくことがポイントである。ステージ,組織型,脈管侵襲などの所見を参考にし,再発のリスクの高い患者には頻回の精密検査を実施し,早期に再発巣の発見に努めることが重要である。検査としては腫瘍マーカー,腹部超音波検査,胸部X線撮影が必要最低限の検査として重要と思われる。コンピュータ登録システムは,患者の臨床情報を外来診察室にて常に把握でき,また外来受診のたびごとに,データを簡単に更新できることに利点があり,術後のフォローアップにきわめて有用で簡便な方法である。 |
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