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| 巻頭言. 「外来化学療法とチーム医療」 | |
| 外来化学療法の現状 | |
| 外来化学療法における看護師の役割 | |
| 外来癌化学療法における専任薬剤師の役割 | |
| 外来化学療法のクリニカルパス (1)肺癌 |
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| (2)乳癌 | |
| (3)悪性リンパ腫 | |
| (4)消化器癌 | |
| 外来化学療法における副作用対策 |
- 2012/5/10
- LCCE4月号 vol.24をアップしました。
- 2012/4/10
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- 2012/4/6
- 膵癌の診断と治療 2011〜2013をアップしました。
- 2012/3/12
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はじめに |
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癌化学療法を外来通院で行うことが一般的になりつつあるが,外来化学療法を安全に実施するには,施設・設備などのハードウェア面,医師,看護師,薬剤師などのスタッフ面,セーフティマネージメントなどの運用面など,充足すべき課題がある。本特集では,外来化学療法を安全に,安心して実施するための基本的な考え方,具体的な方法を解説する。 |
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外来化学療法はなぜ必要なのか |
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化学療法が外来で行われるようになった背景にはいくつかの医学・薬学的,社会学的,および医療経済学的理由がある(表1)1)。もっとも大切なことは,患者が,平常の日常生活,社会生活を送りながら治療を継続することを可能にすることによって高品質な生活(high quality of life;HQOL)を保証することである。この実現を推進するため平成14年度の診療報酬点数改正では,外来化学療法加算が新設された。 当初,財団法人日本医療機能評価機構の機能評価を受け認定された病院のみに認められていたが,平成16年の改正でこの要件が撤廃され,ある程度の必要要件を満たす医療機関ならば,外来化学療法加算が認められるようになった。
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化学療法のために入院が必要な場合はどんなときか |
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ほとんどの場合,化学療法は外来で安全かつ確実に実施可能であるが,以下にあげるような状況や理由では入院治療が適している。 (1)全身状態が不安定な場合(例:急性白血病の寛解導入療法,緩和化学療法の必要な症例など) (2)数日間にわたる治療の場合(例:胚細胞腫のBEP,軟部肉腫のCyVADIC) (3)薬剤投与が長時間に及ぶ場合(例:卵巣癌などのTJ) (4)抗癌剤投与後の水分負荷が必要な場合(常用量シスプラチンを含むレジメン) 原則として上記以外の状況では入院化学療法は必要ない。しかし,化学療法に伴う好中球減少時に入院治療が行われていることが多い。ほとんどの化学療法は,投与から7〜12日でgrade 3〜4の好中球の減少が認められる。しかし,好中球が減少しても全身状態が良好で,38℃を超える発熱やその他の感染症症状や下痢などがなければ特別な対応をする必要のないことが多い。投与日(day 1)の好中球が1500/mm3以上あり,全身状態が良好ならば,投与日と投与日の間の採血検査(interval neutrophil count),好中球減少時の入院,G-CSFの投与は必要ない。 好中球減少時に38℃以上の発熱があっても,感染症重症化のリスクが低い場合には, シプロキサン(1200mg/日)やオーグメンチン(1500mg/日)などの経口抗生物質の内服で対応可能であるため入院の必要はない。 表2には,米国感染症学会のガイドラインから,低リスクの好中球減少性発熱患者識別の基準をあげたので参考にされたい2)3)。
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外来化学療法をめぐる行政対応 |
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平成14年度の保険診療点数改正の際に,外来化学療法加算として1日につき,300点の加算が新設された。その際,「別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方社会保険事務局長に届け出た保険医療機関」すなわち,財団法人日本医療機能評価機構の認定を受けた病院であること,という要件が付加されていた。しかし,平成16年の改定で,この要件が施設基準から削除された。この機能評価は病院のみが受審できるため,診療所,クリニックでは,外来化学療法加算が算定できなかったが,この要件が削除されたことで,必要要件が満たされている医療機関ならば,外来化学療法加算を算定することができるようになった。 |
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外来化学療法を実施するための必要要件 |
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A. 医師,看護師,薬剤師などのスタッフ要件人的体制整備として,医師は,腫瘍内科医など,癌の生物学や抗癌剤の薬理学などに精通した常勤医師が必要である。看護師は,化学療法の経験を有する専任の常勤看護師が当該治療室に勤務していることが必要であり,点滴,状態観察などを行う能力が求められる。看護師の静脈注射については,2002年9月30日,「医師又は歯科医師の指示の下に,保健師,助産師,看護師および准看護師が行う静脈注射は,保健師助産師看護師法第5条に規定する診療の補助行為の範疇として取り扱う」との医政局長通知が出され,看護師の行うべき業務であることが確認されている。薬剤師は,当該化学療法につき専任の常勤薬剤師が勤務しており,調剤,監査,混注業務を担当する。 B. 設備,物品,環境要件機器および専用設備としては,第一に専用の点滴室が必要である。点滴室には,専用のベッド,あるいはリクライニングシート,さらに照明,音楽,アロマなど,アメニティ向上に対する配慮が望ましい。なお,外来化学療法を実施している間は,当該治療室を外来化学療法その他の点滴注射(輸血を含む)以外の目的で使用することは認められない。アナフィラキシーショックなどの緊急事態や,血管外漏出に対する薬剤,物品などを備えた救急カート,酸素吸入設備は必要である。緊急事態に備え,患者が入院できる体制が確保されていること,または他の保険医療機関との連携により緊急時に当該患者が入院できる体制が整備されていることも要件として求められている。 |
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外来化学療法におけるセーフティマネージメント |
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外来化学療法では,投与量,投与スケジュールの過誤を避けるための工夫が必要である。 オーダリングシステムや電子カルテでの処方も,過誤を防ぐための方策を講じる必要があるが,そのためにある程度の不便さは覚悟する必要がある。 A.わかりやすいレジメンの採用可能な限り,複雑なレジメンは避けることである。たとえば,卵巣癌治療には,3週間に一度,数時間の点滴を行う「TJ療法(パクリタキセル+カルボプラチン)」が効果の点,簡便性の点でも,世界的標準治療となっている。しかし,一部の施設では,「IEP療法(イフォマイド+エピルビシン+シスプラチン)」という5日間にわたる複雑なレジメンで,しかも治療効果を検証したエビデンスのない治療が行われている。このような複雑なレジメンは,強固なエビデンスがない限り排除すべきである。 B.事前登録,改変禁止使用するレジメンを,前投薬にいたるまで,セット化して,事前に登録しておき,患者ごとにスケジュールを変更したり,併用薬を無原則に変更しないことである。外来化学療法に関与する医療従事者は,限られた時間に,多数の患者を対象として,複数の疾患に対する様々なレジメンを扱わなければならない場合が多い。そのような状況では,処方のたびに投与順序が違っていたり,処方する医師によって前投薬剤,投与量が微妙に異なることなどは,過誤の温床である。医師は,「俺の処方」というような間違った自己主張をせず,システム全体が安全で効率的に稼働することを心がけなくてはならない。 C.使用薬剤名,レジメン名の明確化タキソールとタキソテールの取り違え事故は記憶に新しい。これら薬剤は商品名を使用せず,それぞれ,パクリタキセル,ドセタキセルと,一般名を用いることで明確に区別することができる。パクリタキセルも週1回投与の場合と3週1回投与の場合,投与量が異なるため,レジメン名を,パクリタキセル(80),パクリタキセル(175)などとし,レジメン名に個性が感じられるような工夫が必要である。 D.オーダリングシステム・電子カルテでの運用国立がんセンター中央病院のオーダリングシステム「ミラクル」では,抗癌剤処方の過誤を防ぐため,システム上,次のような対策を講じた。 1)レジメン事前登録 疾患ごとに標準的治療を,前投薬,薬剤量,投与時間をセット化し事前登録しておく。登録レジメンの医学的妥当性に関しては,専門委員会で持ち回り審査を行う。処方の際には,セットを呼び出して処方する。個々の薬剤を呼び出し,その都度レジメンを構築することによる過誤を防ぐことができる。 2)インターバルと投与量上限チェック レジメンごとに,あらかじめ,投与間隔(インターバル)を設定しておき,その期間内には,いかなる抗癌剤治療も処方できないようにチェックをかける。また,個々の薬剤ごとに,投与量の上限を決め,過量投与ができないように設定した。 E. 緊急時連絡手段の確保上記の手順を踏めば,大部分の化学療法は,外来通院で安全に実施可能である。しかし,常に医師に連絡がとれる体制の確保は必須である。とくに,薬剤投与開始直後には,アナフィラキシーショックなどの過敏性反応が出る可能性がある。また,投与終了後には前投薬の影響などで意識朦朧状態であったり,起立性低血圧を起こしたりとトラブルが起きやすい。点滴開始時と終了時には,看護師の監視体制を強化するとともに,医師への緊急連絡手順を確認しておく必要がある。 |
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おわりに |
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入院したほうが質の高い治療ができるとか,安全に治療ができる,という思い込みは,患者の間には根強く浸透している。外来でも安全に,しかも効果的に化学療法ができるということを患者に納得してもらうには,十分な時間をかけた説明(情報提供)が必要である。また外来化学療法を安全に,そして効率的に行うためには,当然のことながら医師だけではなく,看護師,薬剤師,医事会計部門など多くの部門が関与し,それらの協調や連絡が必要なわけで,まさにチーム医療の実践ということになる。外来化学療法を行う段取りを共有し,患者にとって安心できる治療を行うためには,医療従事者(医師・看護師・薬剤師など)と患者,および医療従事者間でのコミュニケーションスキルはとても大切である。 |
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●文献
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